VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

作家のすべて教えます 3

 ものごとがうまくいった、あるいはうまくいかなかったというのは結果であり、その結果に至るまでにはプロセスが存在する。そしてそのプロセスは、要するに選択の連続だ。コンピューターがその電子的な内部で、常に1あるいは0のいずれかを選択し続けているのとおなじく、人間にとってものごとすべては、そう自覚するしないにかかわらず、絶えまない選択だ。その場でとっさにおこなうにしろ長い時間をかけるにしろ、人は常に選択している。つまり、常になにかを選んでいる。そうしないことには前へ進んでいけない。
 頭のなかの想像力の世界では、何種類もの時間が…

『月刊オーパス』一九九三年七月号

このエントリーをはてなブックマークに追加