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小説

春の海鳴り

 人に見られることへの恐怖を抑えることができない三十五歳になる娘、由美子の結婚を巡る短編小説です。娘の結婚という戦後日本のフィクションのひとつの定型ともなっているストーリーを使って片岡義男が書くのは、実体を持つ一人の人間としての女性が抱えているものと、世間が要求する結婚という概念との対立の物語。人が性的であることを正面から書き切った過激ともいえる結婚小説です。

『推理』一九七一年三月特別号

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